好きって言えない!30代の少女漫画シネマレビュー

毎週土曜日、更新!レクター&クラリスによる30本の胸キュンレビューです

第24回「花より男子ファイナル」を30代男女が勝手にレビュー

監督 石井康晴 脚本 サタケミキオ
配給 東宝 公開 2008年
主演 井上真央 松本潤
クラリスのレビュー

8年前だけど役者の印象はあまり変わりませんね。アンチエイジング
 ラスベガスや無人島、京都っぽい屋敷など、ロケーション撮影が見どころですが、ドラマでおなじみのやつを豪華な風景で撮って見ました感がこれみよがし。盗まれたティアラを取り返すべく二人で旅に出て苦難を乗り越えるという大筋で、二人の愛を試すため誰かが大金で窮地を作っているのだなと分かる親切設計です。
 二人の結婚に必要なティアラを探す旅の間、主人公つくしは「このまま結婚していいのか」と悩みます。お相手の道明寺はニヤリと笑うAKIRAを追いかけて走ったり、カジノで大金をかけたり、人に怒鳴ったりするだけでいいところなし。1番の危機「クマに襲われる」は、つくし自身が得意のパンチで撃退。上半身裸で「愛してる」と言われても結婚やめた方がいいとしか思えません。つくしは「みんなに助けてもらってうれしい」て泣くけど、私これなんて言うか知ってる、マッチポンプ。女を殴った後に痛かっただろ、ごめんねとやさしくする男と同じですね。映画1本見終わった感想、つくし、別れた方がいいよ!

胸キュン度 0% 道明寺の暴言はDVレベルで気分が悪い。他の男と話してただけで浮気と騒ぎ立てる男は私の視界から消えて
共感度 0% 恋愛して結婚して子供できるのが1番幸せっていう価値観を押し付ける映画に共感できない
寸止めドキドキ度 0% 最後にキスシーンをとっておくために、長い旅行なのに一度も同衾しないの。不自然
山あり谷あり度 5% 金持ちが仕掛けた遊びって分かってるから試練にドキドキしないし、そもそも試練になっていない
俳優の魅力 20% 原作もドラマも見てない私でも、それぞれのキャラに愛着がわくのは分かります


レクターのレビュー

お休みです。

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第23回「四月は君の嘘」を30代男女が勝手にレビュー

監督 新城毅彦 脚本 龍居由佳里
配給 東宝 公開 2016年
主演 広瀬すず 山崎賢人
クラリスのレビュー

弾けなくなったら本末転倒
 ひとことで言うと、刹那の時間を必死で生きている少女に感化され、亡くなった母の呪縛から解き放たれて音楽に取り組めるようになる男の子のお話。あっ言っちゃった、いいか原作あるんだし。明るい画面に江の島ロケして人気俳優が出てきて、そんなお話が展開されます。
 自分の死を意識し、残りの時間をどう使うか考えたとき、人は今までできなかったようなエネルギー出力をするのだと私も思います。だからこそ、檀れい演じる母親に疑問が。息子と過ごせる時間が残り少ないなら、お話したり絵本を読んだり甘えさせてあげたいと思うのでは。ピアノは信頼できる先生に後をお任せして・・芸術家はどうしても自分でやりたいものなのでしょうか。物語のそもそもの発端である、この件が納得できないので全てが泣かせるためだけに作ってるように思えてしまいました。
 と言いつつ、病気の子が学校に行きたいと思う気持ち、お母さんを感じながらピアノを弾くとこ、ほか1シーンで泣きました。泣かすシステムに負けたようでなんか悔しい。

胸キュン度 10% 石井杏奈の告白シーンに泣いた、可愛すぎて。この人E-girlsって知ってびっくり
共感度 5% はっちゃけたい気持ちは分かるけど、相川七瀬みたいな髪型すずに似合ってない。黒髪メガネの方が可愛いやないの
寸止めドキドキ度 1% 序盤、広瀬すずのスカートがめくれるシーンくらいですかね?男子はうれしいのかな
山あり谷あり度 20% 最後、泣かせにかかってすずのシーンをダイジェストして繰り返すのは本当に蛇足
俳優の魅力 30% 私がこれから目指すべきは大人のエレガント板谷由夏なんだなと思った。石井杏奈は朝ドラ女優になれますね


レクターのレビュー

広瀬すずのアニメ声にバカな童貞は萌えるのだろう
正確には少女マンガではなく少年マンガ、なのだがテイストは全くもって少女マンガ。それは少女マンガの文法が一般化したことによる…などとは書かない。そんなことは30年前からすでに語られてきているからだ。そして、本作の場合は羽海野チカエピゴーネンのあり方が堂々としすぎていて、逆にツッコミが入らなくなっているだけとも言える。他にも『ピアノの森』とか、色々パクってるけど。まあ、そういうわけで原作からして白けて読んでた(でも読んでる。マンガ喫茶は好きだから)身からすれば、最初から話の期待値はゼロだった本作、楽しみは俳優と技術の仕事だけだったのだが、広瀬すずのアニメ声にただただ言葉を失った次第である。誰か矯正してやれよ。あの子、バラエティー出てるときあんな声じゃないじゃん。山崎賢人はもちろん、オタクのコスプレをしているチャラ男にしか見えず、その友人のサッカー部員は終始フッラフラしてて目障り。提案なんですが、日本の10代から20代前半の俳優なんてこんなもんなんだから、もっとキャリアのある人たちに若作りさせて高校生役をやらせるハリウッド方式を採用してみては?

胸キュン度 0%  胸キュンなどない
共感度 0% 誰にも共感など覚えない
寸止めドキドキ度 0% ドキドキなどしていない
山あり谷あり度 1% 少なくとも人が死んだりはする
俳優の魅力 0% 何も感じない

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youtu.be

第22回「のだめカンタービレ最終楽章 後編」を30代男女が勝手にレビュー

総監督 武内英樹 監督 川村泰祐 脚本 衛藤凛
配給 東宝 公開 2010年
主演 上野樹里 玉木宏
クラリスのレビュー

お互いライバル心があるカップルって大変そう
 前編よりも気持ちが入りました。後編はギャグは控えめで、のだめが「なぜ音楽を続けるのか」とひたすら悩み続けるお話。それは「なぜ生きるのか」と同様、人によって答えは違うし正解を出すのは難しい。これはアレだ「ハリー・ポッターと死の秘宝・後編」と同じだ。主人公がただただ悩んで、ウロウロする映画です。
 音楽やスポーツ、たゆまぬ鍛錬が一生涯必要な何かに取り組む人にとっては、恋愛は邪魔なものではないかと想像しますが、ピアニストと指揮者カップルでピアノの課題を乗り越えることが二人の愛になるのなら、たまにしか会えなくても結びつきは強いでしょうね。でも日常の幸せを捨てて練習に生きても、プロでやっていけるのは才能と環境と運に恵まれたほんの一部の人間だけ。のだめのように悩む人は多いのでしょう。音楽の根源的な楽しさ、一流の人と演奏する喜び、両方を経験した彼女はスランプから抜け出ましたが、結局何がのだめの心を溶かしたのか、よく分からなかったです。だから恋愛と自分のやるべきことを一緒くたにしちゃだめだと思うんだわ。

胸キュン度 40% 飲まず食わずでずっとピアノを弾いているのが二人の旅
共感度 10% 音を出す楽しさ、音で会話できる楽しさを知っていれば一流のプロになれなくてもいいんじゃない
寸止めドキドキ度 0% えっ!この後コタツでするの?って思ったシーンはあった
山あり谷あり度 40% スランプをなんとかしようとあれこれするんだけど
俳優の魅力 30% 前編は上野樹里がのだめに近づき、後編はのだめが上野樹里に近づいている感じ


レクターのレビュー

お休みです。

youtu.be

第21回「のだめカンタービレ最終楽章 前編」を30代男女が勝手にレビュー

監督 武内英樹 脚本 衛藤凛
配給 東宝 公開 2009年
主演 上野樹里 玉木宏
クラリスのレビュー

原作読んでナイ、ドラマ見てナイ、そんな私が公開7年後に見たら
 とても気が散る映画でした。海外ロケーション撮影、大量の外国人エキストラ起用、ふんだんなCG、のっけから豪華。しかし「テレビドラマがヒットするって物凄いお金が動くってことなんだな。あぁ」と思うばかりで話に集中できません。物語を見せる手段が、主役になってしまっている印象。
 さらに気が散る要因として、言語問題があります。主人公はじめ、外国にいるはずの日本人役者がしゃべるのは日本語のみ。外国人役者のセリフは全て日本語に吹き替えられている(口の形は外国語)。この不自然さは、あろうことか物語を中断して「こういう世界で進みますよ」とテロップで説明。さらに吹替俳優パロディ芸人なだぎ武、見た目外国人だけど関西弁チャドマレーン登場。気が散るう。これを面白さとして飲み込むのは私には難易度高かったです。
 普段なじみのないクラッシック音楽をばっちり聴くことが出来たのは良かったけど、別に映画で聴く必要はないっちゃないですね。

胸キュン度 0% 玉木宏が好みじゃないので。上野樹里は7年後「青空エール」で指揮者になります
共感度 10% 芸術家同士のカップルって大変だろうなとは思う
寸止めドキドキ度 0% 外国では男女が抱き合ったくらいでヒューヒュー言わないと思う
山あり谷あり度 5% 上を目指す指導者と、時間に追われる団員の溝はどうやって埋まるのか楽しみにしてたのに、何も起こらなかった
俳優の魅力 10% 一瞬出てきた片桐はいりの存在感。と、吹替俳優ってやっぱり上手
レクターのレビュー

お休みです。

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第20回「青空エール」を30代男女が勝手にレビュー

監督 三木孝浩 脚本 持地佑季子
配給 東宝 公開 2016年
主演 土屋太鳳 竹内涼真
クラリスのレビュー

 頑張る野球部員をキラキラ真っすぐな主人公が応援、ケガのトラブル発生でどうなる?という、大枠のストーリーは予告編で得た情報通りでした。でもそれ以外の余白部分が面白かった。実はこれは部活あるある映画なのです。高校生活全てを部活にかけても、ケガという不運によって最後の舞台を踏めないという挫折。どんなに頑張っても経験者には勝てず補欠のままという挫折。それでも続ける意味はあるのか。映画の中では「一生懸命は人を動かす」という曖昧な答えではあったけれど、ま、何もやらないやつはスタートラインにも立てないってことかな。
 青臭いセリフの恥ずかしさ等を飲み込めれば、噂に聞く吹奏楽の体育会系ぶりなどにクスリとできます。それにしても映画のフォーマットとして高校生男女の恋はどうしても必要ですか?土屋太鳳のキラキラ目線とストロボ・エッジ有村架純がダブります。「部活動に専念したいから付き合えない」は爽やかなように一見思えるけど、欲を抑えていると考えると逆に生々しくて気持ちが悪いよ!

胸キュン度 10% 恋愛感情に関係なくお互い認め合う二人が1番良かった
共感度 50% 高校生が終わっても人生は続くという点に
寸止めドキドキ度 0% 俺のこと好きな土屋太鳳が他の人と付き合わず、ずーっと待っててくれるんだね
山あり谷あり度 60% 予告編に出てきた「帰れ!」が主人公ではなかったのは予想外
俳優の魅力 10% 葉山奨之のひねた感じが気になって思って調べたら綾野剛と同じ事務所でした。フーン


レクターのレビュー

キャストが映画に奉仕しているのではなく、映画がキャストに奉仕している作品。そんな印象を強く持った。つまり、ここには演技という概念も脚本という概念も存在していない。いや、「これまで映画と呼ばれていたもの」と比較するなら、だが。
象徴的なのが冒頭のモノローグでヒロインが「靴ばかり見ていたけど、見上げたら青空があった」と語るにもかかわらず、この時点で「靴」も「見上げる行為」も登場していない点。これはJ-POPの歌詞のおける「永遠を探して」とか「未来を抱きしめて」のような実体の伴わない美辞麗句と同じ、イメージを言語化しているポエムに過ぎないのだ。
個人的な好みは別として、イメージの言語化そのものを否定はしない。しかし、イメージを映像化するメディアである映画が、映像より言葉を優先しているのは破綻ではないのか。物語の軸にあるのはヒロインがヒーローを応援したいという単純明快な動機であるにもかかわらず、ラストショットがヒロインの所属する吹奏楽部の集合写真という文法の崩壊もまた、破綻の印象に拍車をかける。

胸キュン度 0% 胸キュンなどない
共感度 0% 誰にも共感など覚えない
寸止めドキドキ度 0% ドキドキなどしていない
山あり谷あり度 10% 山を作ろうという意思はある
俳優の魅力 1% 何も感じない



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第19回「ヒロイン失格」を30代男女が勝手にレビュー フジテレビドラマ「好きな人がいること」放映記念!

監督 英勉 脚本 吉田恵里香
配給 ワーナー・ブラザース映画 公開 2015年
主演 桐谷美玲 山崎賢人
クラリスのレビュー

みんなに美玲ちゃんを好きになってもらうための映画
 もし私が桐谷美玲に生まれていたなら、それはモデルになるしかなかったでしょうね。あんなに手足が長くて細くて顔が小さくて目がぱっちりしていたら、ごく自然な流れでその才能を生かした職業につくでしょうね。そんな美玲ちゃんが2人の男の間で揺れ動く主人公を演じて、映画の観客である普通の女の子達は感情移入できるのか?そりゃ、それだけ綺麗なら山崎賢人でも坂口健太郎でも付き合えるでしょうね!って冷めてしまいそう。
 ところが、これは美しい桐谷美玲をとことん落とす映画なのです。美人なのに男に振られてブス(という設定)に取られて、どうして私がと地団太踏み、CGを使いまくって貶めます。下へー!下へー!「美人なのに」の山が普通より高いので、谷が深くて面白い。漫画原作の映画ならこれくらい思い切りやってくれた方が楽しめますね。
 と思っていたら、後半は普通にウダウダ言う恋愛映画に変身。えっ!さっきまでの勢いはどこへ。やっぱり、これやらないといけないのか。恋に悩んでウダウダするの大嫌いです。

胸キュン度 10% 山崎賢人にはピンと来ないけど、私は我妻三輪子が可愛いと思う。三輪子キュン
共感度 40% 美玲ちゃんより普通の子の方がいいでしょっ!ね!という女子の共感をグイグイ押してくる前半
寸止めドキドキ度 0% 覚えてないくらいの、どうでもいいキスシーンだった
山あり谷あり度 30% 前半と後半で全然違う映画になってる
俳優の魅力 50% 福田彩乃って美人だし器用だね。ブス役が出来る我妻三輪子。三輪子~!
レクターのレビュー

お休みです。

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第18回「君に届け」を30代男女が勝手にレビュー

監督 熊澤尚人 脚本 根津理香/熊澤尚人
配給 東宝 公開 2010年
主演 多部未華子 三浦春馬
クラリスのレビュー

多部未華子は声の小ささが可愛い
 高校生同士の恋愛映画は、「好き!」「僕も!」の両想いだと2秒で話が終わってしまいます。だから、あらゆる障害を生み出すことで話を盛り上げるのです。ライバルに邪魔されるのはもちろん、昔の彼女に負い目があって精神ケアしなくてはいけないとか、ドS系男子キャラもロミオとジュリエットになるための装置の一つですね。お互い好きだけどいじめることでしか表現できない、好きなのに意地悪されるから嫌いって言っちゃう。女子中高生を楽しませるべく、あらゆるパターンがひねり出されています。
 その中でこの物語は、外部に障害を作るのではなく主人公が自分の気持ちを言えるようになる、たったそれだけのお話でした。おとなしい性格の子が自分の気持ちを言い、友達を作って親離れする、ほんの一歩だけの物語なのですね。シンプルな所には好感がもてましたが、あんなにいじめられ学校中から注目されて、引きこもりにならずにすんでるのは奇跡。
 ところで桐谷美玲がブスに好きな男を取られる「ヒロイン失格」はここが原点だったようです。

胸キュン度 70% 付き合うとかよく分からなくて断っちゃうところ
共感度 50% 別に無理して恋愛しなくてもいいと思う。世の中はやし立てすぎ
寸止めドキドキ度 0% 無理に入れてないのが好感度あり
山あり谷あり度 30% 1時間半超は長いと思ったけど最後、気持ち盛り上がりました
俳優の魅力 50% 体育教師にあえて井浦新。野球部員・佐々木大介の異物感


レクターのレビュー

あの子の胡散臭さがハンパない!
多部未華子が好きだという人達の勝ち誇った感じは何なのだろう?男の場合は、みんなが気づいていない女の子の魅力に、俺は気づいている、という『鈴木先生』の小川好き男子みたいな心理でしょう。女子の場合は、ライバルに見えていないから「かわいい」を安心して連呼できる存在なのではないでしょうか。
そんな、誰の敵にもならない多部ちゃんをこの話に起用している時点である程度の成功は約束されているわけです。原作について言えば、この後『アオハライド』や『好きって言いなよ』に連なる、「友達百人できるかな」ものの始祖として、少女マンガ史に名を刻むでしょう。正直、単行本3巻くらいから早くもグダグダになっていった感はありますが、映画はグダる前を脚色しているので、お話に関しては「安心してください」。
ただ、二次元であることでリアリティが薄められていたキャラクター造形が実写で崩壊している感は否めない。特に三浦春馬演じる風早くんの胡散臭さ!

胸キュン度 5% 頼むから逆光やめてほしい
共感度 10% 俺は無理して友達など作らなくてもいいと思ってしまう
寸止めドキドキ度 10% ドキドキなどしていない
山あり谷あり度 1% 雰囲気だけで話が進む



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